【平泉のかをり】香りについて②

香りについて①から引き続きまして…

この度、商品化した「黒方(くろぼう)」という香りには
沈香・丁子・白檀・貝香・麝香・薫陸
が使用されると書きましたけれども…

麝香(じゃこう)は、ジャコウジカの雄の生殖器からの分泌物でできているため、ワシントン条約で規制対象となっている香料です。
市場においても希少となっているため、価格が高騰し、入手し辛い香料となっております。

この麝香は、平安時代からもすでに入手し辛い香料であったと薫物の指南書にも書かれており、

代用品として欝金(うこん)を使用せよ

とされています。
よって、今回の商品には麝香を欝金に変えて調合しています。



また薫陸(くんろく)樹脂の化石からできており、香料や薬として使用されています。

しかし、薫陸もまた手に入りにくい香料の一つです。

しかし、岩手県には

「和の薫陸」

と呼ばれるものがあります!それは…

久慈琥珀


久慈琥珀といいますと…

写真のような装飾品などをイメージされる方が多いか思います。

琥珀も樹脂が化石化したもの。

久慈琥珀は、江戸時代には徳川家康公へ香料・薬剤として献上されていたようです。

今回は、この久慈琥珀を調合しています。


久慈琥珀については、下のリンクをご覧ください。


久慈琥珀総合サイト

http://www.kuji.co.jp/

琥珀と平泉の文化との関わりについて。

平泉は仏教文化で栄華を誇った土地でもあります。

その仏教経典のなかで、琥珀は

七宝(しっぽう:7つの大切な宝)

に含まれており

中尊寺金色堂にある藤原清衡公の棺

から、琥珀の念珠の親玉や原石が発見されています。

また、

柳之御所遺跡

からも琥珀の原石がいくつか発掘されており、平泉の文化にとっても身近なものなのです。



こういった観点から、この度の商品には薫陸を久慈琥珀で代用し、作成しています。

平泉のかをり創造プロジェクト

ー香りにのせて、伝えたい。平泉ー 平安時代の平泉で使われていたと推定される「香り」の再現や 地域で採れる鉱植物を香料として使用できるよう研究を行なっています。 2021年、平泉世界遺産登録10周年に合わせ平泉のかをり文香および名刺香を製作いたしました。 皆様に“平泉”知っていただくをきっかけになるような活動をしてまいります。