これまでの活動④ 2019.10.19
10月19日(土)は平泉のかをり創造プロジェクト第3弾講習会&ワークショップが行われました。
雨の中お越しくださった皆さま、誠にありがとうございました。
今回のテーマは「甘葛煎(あまづらせん)」でした。
甘葛煎は、平安時代に薫物の材料としても使われていた幻の甘味料。
当プロジェクトではその再現に挑戦し、お香の材料として使いたいと考えています。
まずは、奈良女子大学 大和・紀伊半島学研究所 古代学・聖地学研究センター 協力研究員 前川佳代先生に、「古代甘味料・甘葛煎の再現〜平安薫物(たきもの)製作のために〜」と題した講演を行っていただきました。
これまで、甘葛煎の材料である樹液を集めるための様々な方法が考案されてきました。
たとえば、切り取ったツタに息を吹き込む「あまづらフーフー」や遠心力を使い、切り取ったツタを振り回す「あまづらブンブン」です。
どの方法も多くの人手が必要で、一度に採取できる量はごくわずか。
しかも、原料のツタの糖度や樹液の量は日によって変わるため、効率的な採取のためには時期を見極めなくてはなりません。
現代でも作るのに労力がいる甘葛煎を、古代の人々はなんと税として納めていたそうです!😳
一体どのようにして一定の量を採取し続けたのか、古代の人々の英知に思いを馳せるひと時でした。
そしてワークショップでは、実際に原料となる植物・あまづらを探しに行きました。
目をこらすと、山の中、道路沿いなど平泉町内のいたるところにあまづらを発見!
トンネル手前の壁面には、びっしりと生えた立派なツタもありました。
他の植物とあまづらを見分ける一番の特徴は、
「気根」という細かい糸のような根です。
幹に接する部分にのみ生えているので、
まるで大きなムカデが
木に抱きついているように見えます。
「あ、あれがそうかな?」「これは違うかな?」と参加者一同、宝探しのような気持ちであまづら探しに励みました♪
奥州藤原氏や源義経が使っていたと考えられる甘葛煎を再現することで、平泉の文化や理念を感じていただけるお香にしていきたい!
そんな思いがますます強まる、第3弾講習会&ワークショップでした。
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