これまでの活動⑧ 2020.2.8-9

2月8日、第5弾のイベントとして、「あまづら、ブンブン大作戦!!」を開催しました!


「あまづら」とは、ブドウ科のツタのこと。

その樹液を煮詰めてつくる「甘葛煎」は、平安時代に薫物の材料としても使われていた貴重な甘味料です。

このたび、奈良女子大学 大和・紀伊半島学研究所 古代学・聖地学研究センター 協力研究員で、平泉文化を研究しつつ、甘葛煎再現実験を行っている前川佳代先生を講師に迎え、樹液の採取から甘葛煎再現実験を行いました。


午前中にプロジェクトのメンバーが町内のあまづらの採取を行い、午後からは、ボランティアスタッフの方々に合流していただき、合計20人で樹液の取り出し作業を行いました。

取り出し方はふた通りで、一つ目が息で樹液を吹き出す「あまづらフーフー」、二つ目がツタをブンブン振り回し、遠心力を使って樹液を取り出す「あまづらブンブン」です。

小学生メンバーの3人が活躍して、合計7.4キロのツタから、一時間ほどで550ccの樹液を取り出すことができました!

その後33分間煮詰めて、80cc、糖度73.3度の甘葛煎が完成しました。


驚いたことに、奈良で作られたものと平泉で作ったものは、色合いも味も異なっていました。

奈良で作られたものが黄金色に近いのに対し、平泉のものは黄味がかったような、緑がかったような透明感のある色です。

味も、奈良のものが香ばしいカラメルのような風味を感じるのに対し、平泉のものは塩を加えたスイカのような甘みを感じました。

地質の違いが表れているのでしょうか。

今後も実験結果を報告していきます!


翌日9日は、「甘葛煎再現in平泉のまとめ」と題し、前川先生が講演を行いました。その後、前日に作った甘葛煎を使って「梅花(ばいか)」というお香を作りました。

春に焚く香りで、奥州藤原氏への血筋となる藤原北家 藤原冬嗣が考案ないし所持して末裔に伝わったとされています。

沈香や白檀などの粉末69.9グラムに対し、甘葛煎13.1グラム+2滴ほどを混ぜ合わせると、丁度良いほろほろした感触に。

小指の爪ほどの大きさになるように手で丸めていきました。

華やかな、甘い香りに仕上がりました!

今年度のワークショップは今回が最後で、テレビ岩手さん、岩手めんこいテレビさん、一関ケーブルネットワークさん、FM岩手さん、岩手日日新聞社さんが取材に来てくださいました。

皆さん、誠にありがとうございました!

商品化に向けて、今後もますます盛り上げていきますので、温かく見守っていただければ幸いです。

平泉のかをり創造プロジェクト

ー香りにのせて、伝えたい。平泉ー 平安時代の平泉で使われていたと推定される「香り」の再現や 地域で採れる鉱植物を香料として使用できるよう研究を行なっています。 2021年、平泉世界遺産登録10周年に合わせ平泉のかをり文香および名刺香を製作いたしました。 皆様に“平泉”知っていただくをきっかけになるような活動をしてまいります。